GREETING - ご挨拶 ー


日本のファッションに、意志と深みを。

株式会社 中村デザインスタジオ  代表取締役社長

中村 宏美


産地テキスタイル開発と、それに関わるすべてのことに着手

当スタジオは、1992年の設立以来、北陸・一宮などの産地テキスタイル開発、婦人服を中心としたアパレルやレッグファッション、アクセサリーのデザインを行っています。大手繊維メーカーとのタッグによる、産地テキスタイルの営業を兼ねたショールームの開設、管理を手がけた実績もあります。 

また、国内外の最先端からファッション情報を定期的に入手し、トレンドセミナーや新人向けゼミなどの情報普及・教育活動も実施しています。

2006年4月には個展を開催。オリジナルプリントブランド『DEMI、E』のテキスタイルデザインの開発に着手しました。


日本のファッションは、見た目重視?

かつて、流行の発信はヨーロッパにありました。私たちはそこからさまざまなものを取り入れ、学んできました。時代は変わり、今は日本のファッションが、ここ渋谷や原宿などから発信されています。

ファッションは、意志の表れだと思っています。そこに込められた思いや願いが、細部に行き届くことで、強いエネルギーを発すると考えます。私自身も1980年代、ヨーロッパブランドの一切手抜きのないデザインや、その後台頭した日本のデザイナーによる「東洋の創造」という思想の深いデザインに驚嘆し、社会の通念を覆す革新的なデザインを身にまとうことで、覚悟にも似た責任とプライドを感じていたものです。

時は流れ、今、日本のファッション業界では、表面的な美しさを重視する似たようなデザインが大量に生産され、すぐに飽きられているような感じがします。その都度、ゼロ・リセットされるような環境のなか、流行り廃りの波に溺れたファッション業界はどこに向かっているのか?ファッション好きは、何を求めているのか?ファッションの作り手は何ができるのか?もう一度考えたいと思っています。


次世代にファッションをつないでいくために

ファッションだけでなく、すべての業界で語られる課題は次の世代の育成でしょう。そしてそれは、業界再生の希望でもあります。次世代の人材に学習の場を提供する中、私たちはアートとデザインの関係を研究し、両者の橋渡しにも力を入れていきます。メーカー、デザイナー、工場、世の中のトレンドを横糸に、古典・古代の芸術から現代美術までのファイン・アートを縦糸に、ファッションとアートの「出会い」を通じて、業界全体にイマジネーションの連鎖を生み、ファッションを豊かな文化として織りなしていきたいと思っています。

今、「Kawaii」ファッションや「アスレジャー」を発信する若者たちに、私は強い意志を感じます。日本発信のファッションが、表面的な発想のジャンプ力だけでなく、アートとの「出会い」を提供することで、さらに深みと輝きを増すことができるのではないか、と期待しています 。そのために、「美術鑑賞」や「美術史の学び」の機会を提供していこうと考えています。